ハコイリムスメ。
さっちゃんもおかしなことを言う。
俺は首を軽くかしげながら「やまぶきの部屋」を離れ、ロビーのベンチに戻った。
「あ、ちとせくん。お話終わったの?」
「おー、終わった終わった、お待たせ。んっじゃ行こうか文房具屋」
「うん!」
変なことは突然倒れたってことだけじゃない。
葵は覚えていないと言うのだ。
『えー?なんのこと?』
『何のことってお前…本当に覚えてないのか?』
『だから、何を?』