ハコイリムスメ。
「名前………?」
はいー、振りだしー。
戻りすぎだろ。
またまた脱力。
「……んー」
さわさわと風に揺れるひまわりに視線を戻されてしまった。
ひまわりに負けた俺は、一緒になってそれを見つめた。
元気な黄色が、目に染みる。
揺れるひまわりを見ながら、考える。
固有名詞が無いと、不便だし……。
勝手に名付けよう、うん。
良さげな思い付きに、うんうん、と自分で大きく2度頷いた。
「……夜、じゃ変だし。
無言……じゃ、わけわかんねーし。
ちび?
ペットかよ……
ひまわり…ヒマワリ…」
閃いた。
「そうだ、確か」
急に立ち上がったので、また驚かせてしまった。
「あ、悪ィ」
軽く謝って、書斎に向かう。