ハコイリムスメ。
8月15日
一週間後、葵がようやく部屋から出てきた。
というか、ようやく俺とまともに顔を合わせた。
「ちとせくん……描けた」
葵は俺に向かって満足げにそう言ったあと、ぐったりとソファーに倒れ込んで眠った。
俺は苦笑しながら葵にタオルケットをかけて、それから礼次郎さんに連絡をとった。
コール音を3つ数えたところで、礼次郎さんが出た。
「あ、もしもし谷神ですけどご無沙汰してます」
『おお谷神君、それじゃあ間に合ったんだね?』
「はい、今描き終えたらしくて。本人はぐったり眠ってますけど」
『そうか、じゃあ谷神君、日向君と午後の適当な時間に搬入に来てもらえるかな。午後5時までならいつでも大丈夫だから』
「わかりました」
礼次郎さんは個展会場までの簡単な道順を口頭で説明した後、気をつけていらっしゃい、と電話口でやわらかく言った。
というか、ようやく俺とまともに顔を合わせた。
「ちとせくん……描けた」
葵は俺に向かって満足げにそう言ったあと、ぐったりとソファーに倒れ込んで眠った。
俺は苦笑しながら葵にタオルケットをかけて、それから礼次郎さんに連絡をとった。
コール音を3つ数えたところで、礼次郎さんが出た。
「あ、もしもし谷神ですけどご無沙汰してます」
『おお谷神君、それじゃあ間に合ったんだね?』
「はい、今描き終えたらしくて。本人はぐったり眠ってますけど」
『そうか、じゃあ谷神君、日向君と午後の適当な時間に搬入に来てもらえるかな。午後5時までならいつでも大丈夫だから』
「わかりました」
礼次郎さんは個展会場までの簡単な道順を口頭で説明した後、気をつけていらっしゃい、と電話口でやわらかく言った。