ハコイリムスメ。
「迎えに来たよ」
葵は何度も何度も頷いて、俺の制服を涙で濡らした。
「待たせてごめんな、葵」
「会いたかったよおおお……!」
「あ、やべえ、葵じゃなかった、真央だよな、ごめん」
「そんなのどっちでもいいよう…!」
「これから、ずっと、一緒にいよ」
「うん」
「だから、俺を、信じてくれる?今までみたいに」
「うん」
一度肩を掴んで俺から離れさせた。
1年半ぶりの顔をよく見たかった。
「葵、なんか変わったな」
「ちとせくんだって」
「これ、約束のボタンな」
「ありがとう、大事にする」
俺たちは見つめ合って笑って、俺は彼女を抱きしめた。
もう離さない、と、誓う。
神様にじゃない。
いつかとおなじように、
俺は葵に誓う。