ハコイリムスメ。


「迎えに来たよ」





葵は何度も何度も頷いて、俺の制服を涙で濡らした。



「待たせてごめんな、葵」

「会いたかったよおおお……!」

「あ、やべえ、葵じゃなかった、真央だよな、ごめん」

「そんなのどっちでもいいよう…!」

「これから、ずっと、一緒にいよ」

「うん」

「だから、俺を、信じてくれる?今までみたいに」

「うん」




一度肩を掴んで俺から離れさせた。

1年半ぶりの顔をよく見たかった。





「葵、なんか変わったな」

「ちとせくんだって」

「これ、約束のボタンな」

「ありがとう、大事にする」



俺たちは見つめ合って笑って、俺は彼女を抱きしめた。



もう離さない、と、誓う。



神様にじゃない。
いつかとおなじように、

俺は葵に誓う。






< 461 / 465 >

この作品をシェア

pagetop