ハコイリムスメ。










「お前は受け身の人生なのか?」


買って帰るケーキを選びながら、俺はサトに問いかけた。


「あー?かもな」

その答えが既に受け身で、俺は脱力する。

「…俺、やだよ委員なんて。かったるいし」

「何でケーキ?」

「聞けよ人の話!!」


俺は覗き込んでいたガラス棚から顔をあげた。

「俺モンブラン」
「………はいはい」
「あとー」
「まだ食うのかよ」
「冗談だろ」

悪びれず、しれっと言うサト。
何か機嫌が悪い。


俺たちは駅中の洋菓子店に来ていた。きらびやかですぐ壊れそうなお菓子がたくさん並んでいる。





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