ハコイリムスメ。
*
「お前は受け身の人生なのか?」
買って帰るケーキを選びながら、俺はサトに問いかけた。
「あー?かもな」
その答えが既に受け身で、俺は脱力する。
「…俺、やだよ委員なんて。かったるいし」
「何でケーキ?」
「聞けよ人の話!!」
俺は覗き込んでいたガラス棚から顔をあげた。
「俺モンブラン」
「………はいはい」
「あとー」
「まだ食うのかよ」
「冗談だろ」
悪びれず、しれっと言うサト。
何か機嫌が悪い。
俺たちは駅中の洋菓子店に来ていた。きらびやかですぐ壊れそうなお菓子がたくさん並んでいる。