ハコイリムスメ。
人差し指を曲げて、伸ばして、また曲げて…
くすぐったかった。



「………なんだかなぁ…」
「ん?何サト」
「端から見てるとただのカレカノっつーか…」

俺はそれを聞いて笑ってしまった。

だって葵は俺と同じように、俺を保護者って思ってるはずだから。
たぶんきっと、男女の区別もはっきりついてないはずだ。


「ないない」
「…まぁ、渡里には言わないでおくさ」
「別に言っても…」
「お前が平気でも、渡里の嫉妬でこの子危ないだろ」
「ああ、なーる」


いつの間にか腕にしがみついている葵を見た。


うん、あり得る。

美佐ならやる。だって、学校で俺が女子とふざけてるだけでぎゃーぎゃーうるさいもんな。


「あ、サトお前さ、また来いよ」
「いーけどなんでまた」
「葵が俺以外のヤツと関わる機会が必要だと思って」




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