スプリング×ラブ!
ゴンドラが下についた。
2人を降ろし、今度は1組の家族を乗せてゴンドラはまた上を目指して昇っていく。

数十秒後、春たちが降りて来るまで、透夜と園田は何も話さなかった。ただ黙ってお互いの足元を見ていただけ。







自分の理想を重ねていただけ。


園田はそう言ったけれど、はたしてそれをしないで人と付き合っている人間なんているのだろうかと彼は思う。
みんな、どこかしらごまかしたり、納得いかないところを納得したりして生きているのであって、理想を重ねるのもそれと同じように意識しないでみんながやっていることなんだ、と。



理想を抱かないで生きてなんかいけない。
理想がなくても平気なんて綺麗事だ。



世界はめまぐるしく変化していて、その時とき痛みも苦しみも伴う。理想を持ってなくちゃ、耐えられないんだとまた思うのだ。



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