スプリング×ラブ!
「おー園田さん」
「谷原くんっ春ちゃん!」
「あああ…亜衣ちゃん…………」

やっぱり帰る!、もう帰るんだろー!
谷原と2人で騒いでいた春に、不機嫌そうな声がかかった。

「……なにぎゃあぎゃあ騒いでんの。迷惑じゃん」
「出たああ!」

咄嗟に叫んで谷原の後ろに隠れる春。
透夜はあからさまに顔をひきつらせた。

「……崇、俺この人のことすげームカつくんだけど」
「うん、まあちょっと分かるぜ親友!」

男子2人が会話をしている後ろで、園田が春に小さく手招きをした。目が笑っている。春はそっと谷原のそばから離れて、園田のところに駆け寄った。



「春ちゃん、あのね」
「ちょっとまって亜衣ちゃん!私、私言わなくちゃいけないことが…!!」
「言わないでいいよ」
「へっ?」

園田は優しく微笑むと、わかってたもんと言った。

「な、何がっ」
「んー、ナイショかなっ」
「あ、亜衣ちゃん~っ」
「坂井くんのことは、もういいんだっ私の勘違いだったみたいで~」
「勘違い!?」

話が見えずに目を白黒させていたら、園田は春ちゃんおもしろい顔ーといって1人で笑いだした。


< 105 / 119 >

この作品をシェア

pagetop