スプリング×ラブ!
「平和だなぁ…………っくし!」

いくら窓を閉めておいても、透夜の場合は埃でさえ敵であるからどうにもならない。
クシャミは押さえられるものじゃないし、クシャミが出そうで出ないときが一番腹が立つ。




透夜は明るい窓の外をぼけーっと眺めたあと、恨めしげに呟いた。

「っはー…………死にたくなる…(なるだけだけどー…)」

この時期は特に独り言が増える。
1人きりの時間が長いせいもあるだろうが、それだけじゃないと彼は思う。
独り言が多いのはいつもと変わらないのだ、と。
ただそれを実際に音に出すのか、はたまたそのまま押し込んでおくのか、という違いがあるのみで。



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