スプリング×ラブ!
I am interested!
「春~!もう!」
「ごめんね夏香~」

春はホームルームが始まる直前に教室に滑り込んだ。まさにギリギリのタイミング、タッチの差で担任の広見先生が入ってきた。

「席着いてー」

ザワザワした空気はそのままに、みんな各自の席に着き始める。春も夏香の前の自分の席につく。透夜の空の席が目についた。
変に気になる。昨日までは空だろうと座っていようと気にもとめなかったくせに。

「あれ、坂井は?」
「透夜はー、いつも通り居ませーん」

前の方の男子の誰かが答えた。
夏香が後ろから春の背中をつついたので振り向くと、「言わないの?」と目で問われた。
一瞬戸惑ってから、春は首を振った。
自分でもよくわからなかったけれど、涙を流していた透夜が気になっていたのは事実。

「ったく、仕方ないなぁ坂井は…あれで学年トップの成績だなんて詐欺だな」

先生のため息混じりの声に、春の思考がすべて占められた。

「トップぅ!?」




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