スプリング×ラブ!
制服のまま、ネクタイだけはずしてYシャツのボタンをもう1つ外して第3まで開けた。ボタンが首の近くにある服が、彼は大嫌いだった。理由なんかない。

外は嫌味なほどあたたかく、目には見えないけれど花粉で満たされた空気で溢れていた。名前も知らない鳥が楽しそうに囀ずっている。近所の小さな公園から、子供の楽しそうな声が聞こえる。

花粉と戦う気になれなくて、結局寝た。
春眠、暁を覚えず。
要は『眠くて眠くて、起きたくないんだよ!』という作者の怠け意識だ。透夜はその意見に賛同する。

(『杜甫だか李白だか忘れたけど、きっと花粉症だったんだ』)

花粉症の患者は、程度に差があっても少なからず寝不足になる。寝ていても、鼻づまりとクシャミが原因で目が覚めるから。





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