スプリング×ラブ!
「む、無邪気っぽいとことかさ!」

その様子に春はいつものように笑うと、そうだ、と言って谷原に透夜の生徒手帳を手渡した。

「あれ、透夜の?」
「さっき拾ったの。渡しといてもらえるかな?」

小首を傾げて笑う彼女を見て、谷原は大きく頷いた。

「わかった。じゃあなー」
「うん」



谷原が行ってしまうと、春はつまんないの、と呟いた。予定がなくなったので、大人しく家に帰ることにした。



………けれど。
足が自然に駅に向かう。気付いたらみつる台駅までの切符を買っていた。

(「これじゃストーカーモドキじゃん、あれ?リアルにストーカー?」)

公園跡地を見たいだけ、そう言い訳をして、久しぶりにあの道を歩いた。





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