スプリング×ラブ!
Distance.
翌日。

「おっはよー坂井くん!」

前を歩いていたらしい透夜を見つけて、春が駆け寄りながら大きな声で言った。みんなほとんど一斉に春と透夜に視線を注いだ。

「……朝からテンション高過ぎだよ。俺低血圧なんだから、そばに寄んないで」

透夜は眉間にシワを寄せながら、歩く速度を速めた。待ってよー、と春がパタパタあとを追う。
だから!と透夜が大声をあげて振り向くと、一部の男子高生から凶暴な空気が伝わってくる……要は春に憧れているらしい奴等だ。
止まるっきりない。透夜は春が追い付くまで待って、肩を並べた。凶暴な雰囲気は一瞬にして去った。

「坂井くん歩くの早いね!」
「別に………」

透夜はクシャミをしながら、変なのになつかれたと思い切り後悔した。





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