スプリング×ラブ！

「んんん～……坂井くん……？」
「……違うし」

透夜は頭を抱えたくなった。夏香は苦笑して、それから夏香だよとつついた。

「なつかぁ………？え、夏香！」

ガバッと起き上がった拍子に、２人はお互いに思い切り頭をぶつけた。ゴン！と嫌な音がして、一瞬後には「いったあ！」と夏香が頭を抱えてしゃがみこんだ。

「ごごごめ！私石頭で！夏香大丈夫!?」
「だ、大丈夫………」

よろ、と立ち上がった親友に抱きついて、ごめんねごめんねと大袈裟に騒ぐ春。透夜はその光景がおかしすぎて、吹き出した。

「あははは！なにやってんのお前ら！」

その顔に夏香がぽかんとしていると、春が透夜に向かって突っかかった。

「ちょっと坂井くん！夏香を笑うのは筋違いだよ！」

透夜はごめんごめんと言った後もなお、笑う。

「だって…ぶっ、『ゴン！』っつったよ！笑うしかないし！」
「もう！バカ！」

春は眉間にシワを寄せて威嚇してみるけれど、全然怖くないし、と透夜に笑われて、夏香に泣きついた。