スプリング×ラブ!
「……じゃあ、どうする?」
「あ、あの……」
「いいよ、なんでも。付き合うから」

(「……なにしてんだろう、俺は」)

「じゃあっ……コーヒーカップ乗りたい、かな」
「いいよー」

(「クルクル回ってなにが楽しいんだろ」)

2人は移動を開始した。特に会話をするでもなく、微妙な距離を保ったまま、コーヒーカップのある「フラワーエリア」までもくもくと歩く。



「あ~もう!焦れったいっ!」
「……やっぱこうなったか」
「ごめんねっ谷原くん!今私は亜依ちゃんのキューピッドなの!」

春は変装のつもりなのかサングラスをかけて、影から2人を見守っていた。谷原は笑って、「ポップコーン食べない?」と彼女に訊いた。

「食べるっ!キャラメル!」

すぐに振り向いて、手渡されたポップコーンを嬉しそうに頬張った。

「甘い~っおいしい~幸せ~」
「良かったなぁ。で、ほら後追うんだろ?」


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