スプリング×ラブ!
「それにしても……お似合いだねぇ」
「そうかぁ?」
「だって!かわいいしカッコいいし……」

春は透夜を見て、少し切なくなった。

(「亜依ちゃんには、バカとかアンタとかお前とか言わないんだろうなぁ」)

「……坂井くん、亜依ちゃんとくっついたら、もう準備室来ないのかな」
「準備室?」
「美術準備室。坂井くんの避難所だよ」
「準備室のこと、山口知ってたんだ!」
「へ?」

春はコーヒーカップから降りてきた園田達から目を離して訊いた。

「知ってたって……んんん?」
「やー、透夜基本的にあそこに人入るの嫌がるからさぁ。花粉がどうとかって」
「……ふうん」



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