スプリング×ラブ!

夕方。
4人はまた集まって、お土産を見ていた。
切れたストラップの代わりを探して、春はぼんやり棚を見ていた。

「春ちゃん?」

ふいに呼ばれて、目が覚めたように園田を見た。

「えっ?あ、亜依ちゃん。どうしたの?」

春が訊くと、園田は恥ずかしそうに俯いてから、言った。

「あの……ね、私坂井くんに告白しようと思って…」




告白。




一瞬だけ春の顔が固まった。

「今日すっごく楽しかったよ!春ちゃんのおかげ!」
「う…うん、よかったぁ」
「春ちゃん居なかったら、坂井くんと話すことも無かったかもしれないし……」
「そんなぁ、大袈裟だよう」

(「笑えてるかな。ちゃんと、笑えてるかな?」)

園田は幸せそうに微笑むと、頑張るね!と言って、春から離れていった。
春は手にストラップを持ったまま、立ち尽くした。




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