スプリング×ラブ!
ズルいのかな、彼女は考える。
今さら、ズルいのかな、と。
でも、わかってしまった。
自分はどうやら、透夜が好きらしいと。

キッカケなんて知らないし、突然すぎたと思う。だって電話で遊園地の約束をしたときは、意識なんて欠片も無かった。

(「どうしようどうしようどうしよう」)

「山口ー、そろそろ行こうって、透夜が」
「あ、あ、うんうんすぐ行く!」
「どうかしたん?」
「なんもないよ!」

春はストラップを棚に戻して、谷原のところに戻った。





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