らぶらぶホワイトデー
「ねぇ、さっきから気になってたんだけどさぁ。
その紙袋なに?」
怜ちゃんが指をさしたのは手に持っていた例のアレだ。
持ってきてしまったのだ。
「べ、別に何でもないよっ」
「怪しい~。あっ、もしかしてバレンタインデーのお返し?」
怪しむ怜ちゃんの後ろで女子に囲まれている彰が...こっち見てるっ!
「ち、違うよ!」
「もしかしてカレシから?」
ここで彼氏からって言えばこの場は収まる。ただ彰が見ている。
彼氏からだよって嘘をつけば彰は多分勘違いする。
他の誰かから、男子からもらったって。
もしかしたら嫉妬するかも。
ていうか勘違いすんのかな?
「まあいいや」
諦めた怜ちゃんが視界から消えると
いつの間にか彰もいなかった。
すると突然持っていた紙袋が奪われる。
奪った犯人は...
「彰っ!」
彰は紙袋をあけ、クッキーの袋をあけ、
___食べちゃったっっっっっ!
1枚を食べたところで突然涙を流しだす彰。
「えっどうしたの!」
騒然とする教室。
またもや突然、
彰は私の手を掴み教室を飛び出す。
同じ階の空き教室に私を押し込み鍵をかける彰。
「ちょっと彰!」
「な...っん...だよ、これ...そ...のっクッキー...っん...食べてから...涙がっ」
「いやその...」
涙を流したり、いつもに戻ったりと、
コロコロと表情が変わっていく。