【短】溺愛ショコラ
『図星?』
「っ」
先生のストレートすぎる言葉に、私は否定する言葉も出ずに、ろくな言葉も発せない。
私の前に屈んで私と距離を詰めた先生の顔が近くなってもなお、私は何もできなかった。
『へぇー…やっと、別れたんだぁー。』
目の前には、先ほどまで見ていた冷徹な笑顔はなく、先生の満足そうな笑顔があった。
今までに見たこともない笑顔。
まるで、私がと圭司さんが別れたことがとても嬉しい、みたいな――…
――まさか。
とんでもない考えが脳裏によぎった瞬間、青ざめる。
嘘だと思いたい。
もしかして…圭司さんの新しい彼女って、先生――…?
「やだ…っ」
『?茉子ちゃん?』
開いた口を塞ぐように、口に両手を当てて先生を見つめる私に、先生は整った顔で首を傾げた。
こんな美しい人に、私みたいなのが勝てるはずない――