海と空と、太陽と
ーside 栞奈ー
私はあの日から放課後、一人で帰るようになった。

今日はこれでそれが三回目。

前までは三人で帰ってたのにな。

もう、目すら合わせられなくなってしまった。

本田君とそうなっちゃったから、前田君とは自然的にそうなってしまった。

雨…か。

「野口さん、一緒帰ろう」

「…ま、前田君…」

そこには傘をさした前田君がいた。

「ん??」

「あ、あの…本田君は…」

遠慮気味に聞く。

「基羅ならもう彼女と先帰ったっぽいよ」

「…だよね」

そうだよね。

本田君、彼女出来たんだよね。

今回は本命だって誰かが言ってた。

普段本田君は誰とも付き合わないらしい。

だから今回はすごいんだって。

って…私には関係ないこと。

もうあの事は、忘れよう。

軽い気持ちであんなことしたんだ。

「最近基羅となんかあった??」

「え…ううん、」

「そう。基羅がさ」

「…」

「彼女つくるとか俺にも不思議で。しかもあの女のこと接点ないんだよ??何があったんろ」

「…」

「基羅、彼女が出来て毎日一緒に帰ってるみたいだからさ、俺も一人になっちゃって。今日から一緒に帰ってくれませんか??栞奈ちゃん」

「へっ、え…」

か、栞奈…ちゃんって。

「嫌だ??それとも言い方嫌だった??」

「ううん!!いいよっ、どっちもっ」

「ありがとう」

前田君、本当に可愛いな。

「じゃあ俺はなんて呼ぶ??」

「えっ、」

わ、私も??

「ん??」

か、かぁ…///

「あ、えと、悠大君…で」

「おけ。じゃあ宜しくね」

なんて可愛いんだろ。

それから私は悠大君と帰った。




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