海と空と、太陽と
助けて
朝。

「ん??」

なんだろ、これ。

靴箱に手紙が入ってあった。

「どうかした??」

悠大君はそう言って私の隣に来る。

「あっ、えっ」

「手紙??」

「うん…」

私は恐る恐る開く。

そこにはこう書いてあった。

『放課後体育館に来てください』

たったそれだけ。

「なにこれ、ラブレター??」

そう悠大君は言う。

「なっ、そんなわけ無いじゃん!!」

その紙をさっと鞄の中に入れる。

私に限ってそれはないよ。

「あのグループだったら最悪だね。俺も着いていこうか??」

「え…あ、」

そっか。

あのいつものグループかな。

…毎度毎度なんなんだ。

「次怪我されちゃこっちも黙ってられないよ」

「うーん、ありがと!!でも大丈夫だよ、これは私の問題だからっ」

そうだ。

一人で行かなきゃ。

悠大君に関わるということは、それなりのいじめがあっても可笑しくはない。

「じゃああの部屋で待ってるよ」

「うんっ」

今日こそはギャフンと言わせてあげるんだからっ。

そしてもう、こんなことが起こらないようにと。

私だけじゃない。

ほかの子も、私と同じ目にあってるなら止めさせてあげないと。

私はそんな思いを持って、放課後体育館に足を踏み入れた。

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