友達の延長線

「あ、あたしは」

「テンちゃんって皆は呼んじゃダメだよ?」

そう言って私の言葉を遮った。

驚きで見つめていると、リューはカッカッと音を立てながら綺麗な字で黒板に【延野 天使】と書いたのだ。

「テンちゃんは、延野天使。ユカリって呼んであげて」

ね?と同意を求めてくる。

「あ、うん!ユカリです。よろしくお願いします」

あたしが頭を下げると、皆は大笑い。

「ユカリは顔あげてよ!あたしは実良でいいから!」

皆が急に自己紹介。

あたしも必死に覚えようと奮闘。

「テンちゃん、少し休憩しようか」

リューはそう言ってくれて、あたしは素直に頷いた。

「テンちゃん大変でしょ」

クスクスと笑うリュー。

「うーん、でも嬉しいよ」

ちょっぴり笑うと、リューは驚き顔。

「リュー、ありがとね」

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