友達の延長線

「何々!?」

女の子たちが次々に集まってくる。

「あのね……プッ」

吹き出してしまって話にならない。

「もー、ユカリはツボ浅いよねー」

「えー浅くないって!」

「「浅いね」」

揃った言葉にまた吹き出す。

今ではこのクラスが大好き。

それはリューのお陰。

でも最近思い詰めている気がする。

女の子たちが去った後、あたしはリューの席に……。

「どーした?」

リューは優しく笑う。

えくぼあったんだ…。笑

あたしは隣の席に座る。

肘をついて、リューを見つめる。

「…思い詰めてるなぁーって」

「…」

一瞬戸惑った顔。

でもサッと笑顔になった。

「そんな訳ないだろーよ」

クスクスと笑うリュー。

「ふーん?数学教えてほしかったなぁーなんて思ってたの?」

あたしはしょうがなくボケる。

だって、そんな悲しそうな顔されたら、何も言えなくなるでしょう?

「それはテンちゃんね!」

「えっ、あたし?」

「プッ…テンちゃんこそヤバイよ」

< 32 / 76 >

この作品をシェア

pagetop