友達の延長線

あたしはリューが本当に笑ってくれて、あたしも笑顔になった。

リューは最近取り繕った笑顔ばかりだから。

放課後になると憂鬱そうに校門あたりを見ている。

関係しているのかもしない。

あたしを助けてくれたリューを、今度はあたしが助ける番だ。

「リュー、帰り一緒に帰らない?」

「あー……帰りたいけど、ちょっとね」

誤魔化し笑いをされる。

「ほらっ行くよー!」

あたしはリューの手を引く。

「実良、皆もバイバイっ」

あたしが手を振ると、皆もバイバイしてくれた。

「テンちゃんっ、帰れないって」

少し複雑そうにするリュー。

「テンちゃんじゃなくて『テン』ね」

あたしはそう言って、リューの手を繋ぐ。

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