友達の延長線

あたしは何となく察しはついていた。

あたしが帰る時、校門あたりに他の制服を着た女の子が立っていることに。

その子は下を向いていて表情さえわからない。

前に実良と話してたら学校を出るのが遅くなった日、一人で帰るリューを見かけたのだ。

声をかけようとしたら、女の子がリューに何言か言って……。

「ちょ、テンちゃん!?」

「だから、『テン』だって!」

あたしはニコリと笑う。

すると、諦めたように「わかった」と言って止まった。

「テン、一緒には帰れないよ」

「帰って欲しそうに見てたくせにっ」

あたしはニヤッと笑う。

リューは教室であたしを見ていつ帰るのかを見ていたのだ。

「っ!?そ、それ違うからっ」

顔を真っ赤にして、焦る。

あたしは止めた足を動かして、昇降口から校門に…。

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