友達の延長線

「テンちゃん、男勝手に家にあげちゃダメだからね?」

リューは念を押すように言った。

「リューはいいのー?」

「え、おっ俺は特別!」

クスクス笑うと、焦ったような声が聞こえた。

「ふーん?」

あたしは少し笑いながら問題を解く。

「ねぇ、テンちゃん」

リューはあたしに特別な感情はない。

土日のどちらかは必ずリューと一緒。

ウチに来たり、あたしがリューの家に行ったり、お出かけしたり……。

リューは相変わらずモテる。

別に気にしてない。……なんて嘘だけど。

でもあたしは知っている。

『ごめんね、大切にしたい人がいる』

リューの告白の断り方は毎回コレ。


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