友達の延長線

「てかさ、リューウチに私物置き過ぎだよ」

周りを見てクスクス笑う。

あたしはスッと話をそらす。

なんか、あたしダメなんだ。

リューの真剣な目を見ていると……。

何故だか、好きな人がいるから、と言われてしまいそうで……。

「……俺は特別!ねぇテンちゃん」

いつもなら笑いながら、他の話題に行くのに……。

「…な、に」

あたしはリューの方を向くことができない。

かと言って、解くことに集中もできない。

「テンちゃんはさ、好きな人いる?」

「…え?」

予想外の質問。

「……いる?」

ベッドから降りて、あたしの隣に座って顔を覗き込まれる。

真剣な目に思わずノートに視線を移す。

「勉強はおしまい」

そう言ってノートを閉じられる。

< 42 / 76 >

この作品をシェア

pagetop