友達の延長線
「てかさ、リューウチに私物置き過ぎだよ」
周りを見てクスクス笑う。
あたしはスッと話をそらす。
なんか、あたしダメなんだ。
リューの真剣な目を見ていると……。
何故だか、好きな人がいるから、と言われてしまいそうで……。
「……俺は特別!ねぇテンちゃん」
いつもなら笑いながら、他の話題に行くのに……。
「…な、に」
あたしはリューの方を向くことができない。
かと言って、解くことに集中もできない。
「テンちゃんはさ、好きな人いる?」
「…え?」
予想外の質問。
「……いる?」
ベッドから降りて、あたしの隣に座って顔を覗き込まれる。
真剣な目に思わずノートに視線を移す。
「勉強はおしまい」
そう言ってノートを閉じられる。