友達の延長線
海の確信
「なんかユカ変じゃない?」
「……」
皆はヒソヒソ話。
あたしとリューはあれ以来、気まずくはなっていない。
あれ……キスだよね?
キスだったよね!?
あ、あたし目をずっと瞑ってたからわかんなかった。
リューってあたしのこと好きなの?
…でも、普通だもんな。
「テンちゃんっ、数学のノート見せてー」
ヒラヒラッと手を振ってこちらにやってきたリュー。
「ん?ノート?」
「ちょ、聞いてた!?」
リューはプクッと可愛く膨らませる。
背の大きなリューがやるとかなり違和感があるはずなのに、可愛い顔のせいで似合ってしまう。
「聞いてなかった」
あたしはエヘヘと笑って、現代社会と世界史、国語、英語、数学……机にあるだけのノートを並べる。
「テンちゃん、数学だって!」
フッと笑みを漏らされる。
ドキッと高鳴る。
「だってノートしか聞こえなかったから取り敢えず揃えてみた」
あたしもいつも通り笑顔を向けた。