友達の延長線

「テンちゃん」

俺は呟いて家を見上げた。


高校2年の春。

俺とテンちゃんは出会いました。

俺はその日遅刻ギリギリの時刻。

走っていた。

角を曲がって200メートルくらい先に同じ制服の子。

目の前にはあっちを見て、こっちを見て……とウロウロ彷徨っている女の子。

電話をしながらも、地図をチラチラと…。

ダークブラウンよりも少し軽めの色の髪は肩下15センチ程度で切りそろえられている。

後ろ姿だけでも美人なんじゃないか、なんて期待してしまった。

スタイルも抜群にいい女の子。

でも俺は騙されないから。

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