友達の延長線

整った顔立ちは小顔。

目は大きくて、睫毛は比でもないくらい長かった。

唇はほんのり赤くて小さい。

眉は下がり気味。

寝顔は天使そのものだった。

「彼氏さん?」

俺はいつの間にか尋ねていて…。

『違う。……友達』

少し複雑そうな声が聞こえた。

俺は……いつの間にか安心していた。

なんでだろ?

電話の相手が彼氏じゃなかったから?

ただ単に…彼氏の代わりが嫌だったから?

「そっか。俺は友田隆。一応名乗っとくね」

そう言って俺は一方的に切った。

女の子のカバン、それから携帯を自分のポッケに入れて…。

女の子を背負った。

遅刻…なんて忘れていた。

ドキドキとうるさい心臓の音。

< 71 / 76 >

この作品をシェア

pagetop