友達の延長線

フッと軽くなった肩。

虚しい…と思うのは変?

先生は延野さんをお姫様抱っこして、一番奥にある窓側のベッドに降ろした。

「…貧血持ちだそうです」

俺は呟くように言った。

「でしょうね。しかも重度の貧血」

女の子に布団をかけて、「可哀想に」と心配そうにおでこをなでた。

俺も近づいて頬に手をあてた。

「っ…冷たい」

俺はビックリして手を引っ込めた。

「…重度の貧血、冷え性…」

女の子に同情の目を向けた先生。

「…先生の高校の友達にもね、同じような子がいたの。その子すっごく可愛くてさ」

「…」

俺は静かに先生を見つめた。

「モテるんだよ。好きな人から告白もらったのに断ったの」

「え…」

もったいない。

よんだ様に笑う先生。

「勿体ないでしょう?あたしもそう思ったの」

先生ははにかみながら残酷なことを言った。

「…あたしの体じゃ子供産めないから、って」

「子供……」

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