オオカミと少女
「お友達、か。」
「ん?あ、えーと。それがね…」
ナターシャは急に自信を無くしたように俯いた。
「どうした?」
イーサンがナターシャの顔を覗き込むと、ナターシャはみるみるうちに真っ赤になった。
「それが、イーサンのことどうしても普通のお友達と思えないの。」
ナターシャはまっすぐイーサンを見れなかった。
ナターシャがイーサンの手を取っていたのだが、いつの間にかそれは反対になっていてナターシャが手を離そうとしても離れない。
「他のお友達と話してるときよりなぜか胸が苦しいの。
おかしいよね、話してるととても楽しいのに…。私、自分が分からな…んん!?」
ナターシャは驚いて目を見開いた。
それは自分の唇に何かが触れたから。
イーサンの顔がとても近くにあったからだ。
イーサンの顔が離れて行ってから、ナターシャは自分がキスされたのだと理解するまでしばらくの間が必要だった。
「な、な、な…!」