オオカミと少女
イーサンはふっと笑うとそんなナターシャの頭を撫でた。
「…ナターシャとは、どういう関係なんだ?」
イーサンが聞くと男はふん、と息をついた。
「まず名前でしょ?俺はウィリアム。ナターシャとは同級生でした。」
「同級生…この辺りは、みな学校に通うんだな。」
「ええ。10歳から16歳の6年間は必須です。
そこから僕やナターシャみたいに働く人と、その上に進む人に別れます。」
「…いいな。
俺は学校に行ったことがない。」
「…必須年齢がなかったんですか?」
「いや、あったはずだ。
俺が行かなかっただけで。」
ウィリアムがどういう意味か聞こうとしたとき、ナターシャの頭が少し動いて2人ともナターシャを見た。