初恋日和
あれから彼との電話は約10時間も続いた。

彼のことをあまりよく知らなかった私も、たわいない会話を毎日続けて少しずつ距離が近づいていた。



いつの間にか彼とのやりとりは当たり前になっていて、私にとって生活の一部であった。



余談だが彼は起きるのがとても遅く寝るのもほとんどオールに近い生活を繰り返しているようだ。

彼の家の事情は分からないが、大好きな音楽を聴いたり動画を見たりして一夜を過ごすことが多いらしい。

家族とはあまり話すことはないらしく、ご飯も一人で食べることもしばしば。



少し彼の生活のことが気になりながらも、私は彼のプライベートに入ることは出来なかった。

仮に私が彼に対してその気があったとしても、彼にあるかどうかは分からない。

私は何とも言えない気持ちを抱えながら電話をしながら眠りにつこうとした。
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