Darkness love1
倉庫に着くと、ジンは自分の首に巻き付いている私の手を解く。


そして、私の顔を見て目を見開いた。


何も映さない虚ろな瞳。


口はキュッと横に結び、まるで泣くのを我慢しているような口元。


「おい…」


ジンが私に声を掛ける。


私はそれを無視する。


「サキちゃん」


リュウが私を呼ぶ。


それでも私は無視をする。


「とりあえず、中に入れるか」


そう言って、ジンは私の手を引っ張った。


私は、ジンの後に続いて車から降り、中に入って階段を上る。


そして、いつもの見慣れたソファに座らされる。
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