Darkness love1
私は、床にしゃがみこむ。


あぁ、コンクリートが赤いわけじゃないんだ…。


皆の血が床を染めているのか…。


『っ…私はっ…どうなってもいいから…っ…みんなを…ユウを助けてっ…』


『っ…ひっ……』


誰も答えてくれない。


まるで、私以外誰もいないかのように。


確かにいるのに。


ここにいるのに。


”サキさん、何泣いてんすかぁ?”


”あれ、いつも強気なのに珍しいじゃないですか!”


いつもなら、こんな風にからかうのに。


『ど…して…っ…!』


”何、サキ泣いてんの?”


こうやって、少しバカにして笑うでしょう?


ユウ…。


『どうしてっ…』


“こんな事“になってしまったのだろう。
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