彼女のひみつ
第1章
表の私
高校に入学してから一年。
高校生活にも慣れてくると、午後の授業が一番大変だ。
満腹になると睡魔が襲ってくるし、それに暖かな日差しが睡魔に加担して。
もうだめだ…。
勝てる気がしない…。
僕はもう疲れたよ。
なんだかとっても眠いんだ…。
そのまま天に召された加藤柚華。
「ゆーずーかー。ゆーずーかー!!」
頭の衝撃で地上に連れ戻された。
目を開けると前の席に座って、
私を睨んでいるのは親友の香穂。
彼女は高校からの友達だけど、いつも一緒にお弁当を食べている私の大切な親友だ。
顔は整っているのに性格がちょっとね。
他人と馴れ合おうとしないし、思ったことをすぐ口にしちゃうからこれをよく思わない人の方が多い。
私も初めは微妙な距離感があったんだけど、この一年ですっかり香穂も私に懐いたのだ。