彼女のひみつ
香穂に起こされてからは、睡魔に屈せずになんとかやりきれた。
私、加藤柚華は普通の女子高生。
毎朝遅刻しそうになりながら教室に滑り込み、ノートと黒板を睨みつけながら頭を動かしている。
長い長い授業がやっと終わって帰ろうとした時、後ろから私を呼び止める誰かが。
「加藤、お前今日の日直だったな?」
「はい。そうですけど…」
後ろからやってきたのは私のクラスの体育を教えている相田先生。
180㎝は超えている身長と剣道部の顧問らしいがっちりした筋肉を身にまとっている私の苦手な先生。
先生は今日の授業で使ったものが入ったダンボールを私に押し付けて、颯爽と消えてしまった。