彼女のひみつ
「えっと、その、器具庫に用があって…」
しどろもどろに話す私とは真逆にいる彼らはこの状況を楽しみ始めた。
「そーなんだー。
相田の使いっ走りだろ?
かわいそーにー」
そんなこと言うならあなたが持って行ってください。
「男ばっかでむさ苦しいだろ?
ごめんねー」
はい。とても息苦しいです。
せめて服着てください。
心の声は口に出せなかったけど、愛想笑いだけして器具庫にダンボールを置いて体育館を後にした。
はぁー。
どっと疲れが出てきた。
相田先生め。
恨んでやるー。
疲労感を背負って生徒玄関まで歩いていた途中、
「ちょっと!おい!」
思いっきり肩を引っ張られて、無防備な私はバランスを崩してしまった。