彼女のひみつ



「痛いなぁ…?ん?ぎゃー!!」



口に出したものの、体のどこにも痛みを感じないと思ったら私の下に男の人が。
顔は見覚えがないけど、ジャージを着てるから部活生みたい。
私の下敷きになっている彼から離れたけどまだ状況がつかめない。
だけどまずは、下敷きにしちゃったことを謝らないと。


「すみません。あの、怪我してないですか?」


「俺は大丈夫。それよりこれ落としてったよ」


「すみません!ありがとうございます」


手渡されたのは私のウォークマンだった。
落としたらとても困る物だったから、見つかってよかった。


お礼を言うと彼はすぐに来た道を戻っていった。
運動部の部活生は少し苦手だけど、彼のあどけない笑顔はすごく親近感があって第一印象は爽やか青年って感じだった。






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