ロミオとジュリエット
沈みかけの太陽を最後まで見届けて夜になった。
この街には高い建物がない
だからその分空が広くて高い
もう太陽の姿はみあたらない
この時期になると朝晩は寒くなってくる
「風邪ひくよ」
後ろをみると入口にティボルトがたっていた
手にはなにかコップを、持っている。
「空が綺麗だったから。
それ、なに?」
「ホットミルク、まだ起きてると思って」
片眉をあげて得意げな顔で渡してくる
「ありがとう。今日はまだなんか寝れなくて」
ひとくち口をつけると甘いはちみつの香りが口の中にひろがっていく
ふと横をみるとティボルトはもう飲み終わってこっちをじっと見ていた。
すこし沈黙がながれて、照れくさくなってくる。
「なに?なにかついてる?笑」
「ううん、ただ...なんか」
「ただ、なに?」
顔になにかついてるのかと思って口元をふいてみた
ティボルトは考え込むようにして横目でわたしをみてきた。
「なんでもないよ。明日も学校だろ?はやく寝なよ」
そう言って頬に手をそえてくるティボルトの目はいつもよりもあつっぽく見える。
「おやすみ」
そのままティボルトは自分の部屋に帰っていってしまった。
よくわからないティボルトの行動に心臓が跳ね上がっている
頭は混乱してホットミルクをおとしそうになる。
意識が冴えたままベッドに潜り込んだ。
…今日はもう眠れそうにない。