ロミオとジュリエット
朝になって、やっぱり寝坊した。
忙しない中、先にでたティボルトを追うように学校に向かう。
1限目のギリギリで登校できた。
今日の講義はなにも頭に入ってこない。
頭がぼーっとする。
今日は、ティボルトは忙しいらしくて、ランチタイムはロザラインと食べた。
「ジュリエット?
今更だけど、 顔疲れてるわよ?笑」
他人が見てもわかるぐらいの顔のひどさなんだ。
今日はティボルトの車にのらなくてよかったのかもしれない。
「うん、いろいろ考えてたら夜おそくなっちゃって。」
「美人の顔も台無しね。」
「はいはい。どーも。」
目のまえのこんな美人にそんなことを言われてもあまり嬉しくない。
ロザラインは、呆れた顔でみてきた
「それよりさ、悩み事って...もしかして
恋愛関係のことだったりするの?」
魅惑的な笑顔で言う彼女に逆らえるはずもなく、正直に答えてしまった。
「…最近…気になる人ができたの。」
言葉にしてはじめて形になった気がする。
前よりも自分のなかで好きな気持ちが駆け上がっていく。
「ふーん…ティボルトかぁ~」
「うん。ただの幼なじみだけどね。」
好きを自覚する度にこの言葉も自覚しなきゃいけない。
「それじゃあさ、今度のパーティまでにティボルトにアピールしたら?」
「パーティ? なんの?」
「ハロウィンよ!この高校では、2日間にわけてパーティをするのよ
前日は2,3年だけで仮面舞踏会をやるの!それは、自由参加。で、当日は、なんでも好きな格好で全校生徒、先生でパーティよ!」
パーティのことを語るロザラインはいつにも増して輝いていた。
「へ~、でもそれとティボルトがなんの関係があるの?」
「仮面舞踏会の事なんだけど、それは男女ペアで踊るの。2回踊るんだけど、最初のダンスは自分のペアと。2回目は自分のペア以外と。いい経験になるし、この時期にはよくカップルができるの」
「ティボルト誘ってくれるかな。」
すこし不安になる。
ティボルトは、下級生にもモテるぐらいだからもしかしたらもう相手が決まってるかもしれない…
「だから、アピールするんでしょ?同じ家にいるんだったら一番アピールできるのはジュリエットだけよ?大丈夫!わたしも応援してるから!」
「うん、ありがとう。
ところで、ロザラインの相手は誰なの?」
「わたしは、ボーイフレンドと。
パーティで紹介するわ」
こんな美人のボーイフレンドだなんてどれほどかっこいいんだろう。
パーティはそんな好きしゃないけど、ロザラインのボーイフレンドにはとても興味がある。
「わかった。アピールしてみる」
わたしもパーティにいけるようにがんばらなきゃ。