約束
「あらあら、これは別枠の小笠原セイラさんじゃない?」
なぜか、嫌味な言い方をするこの子は
同じクラスの別枠……柊 佑香
「お前、まだ俺の妹に嫌味いってたの?」
そう言った小笠原先輩の目は
とても暗かった
「あ!シスコンのエロサワラ先輩じゃないですかぁー!」
そう言った、柊さんの目も暗かった
「いい加減にしろ!」
村田先輩も言い返すが
柊さんは冷静に
「彼女さん?かわいいね」
微笑みながら言った
「ユーカにだけは手だすな!」
声を荒らげる村田先輩
「んー?そこのメガネの真面目っ子ちゃんは?」
おそらく私に言っているのだろう
「ねぇー?無視ー?」
そういい続ける柊さんに
腹立たしさを覚えた私は
「船津先輩と別れてあげたらどうですか?」
こんなことを口走っていた
言ってしまってからマズイと思っても
もう、遅い
「は?何様?」
明らかに逆鱗に触れてしまったようだ
そして、ゆっくりとこちらに向かって歩いてくる柊さん
手を大きく振り上げたので
殴られる、と身構えたが
体のどこにも痛みは感じなかった