この気持ちに名前をつけるなら
昼間と違って風はまだ少し冷たいけど、向かい風が気持ちいい。
私のスピードに合わせて光太が着いてくる。
そういえば利也さん、光太と付き合ってるって思ってたんだった。
誤解を解いてくるのを忘れていた。
そういえば光太に彼女がいるって話、聞いたことない。
モテそうなのにな。
イケメンって程でもないけど、別にブサイクな訳でもないし、背高いし、柔道やってるところは欲目なしにかっこいいし、優しいし。
光太に彼女か。
想像すると少し寂しい気持ちになった。
そういう日がいつかきっと来るのだろう。
なんか不思議な気分。
やっぱり高校二年生はさおりの言った通り、皆との限りある時間を悔いなく過ごそうと改めて誓ったのだった。