この気持ちに名前をつけるなら
二人ともからかいすぎ!
二人の好意は本当に嬉しいことだけど。
「心配してくれるのは嬉しいけど、それはないから。だって、私坂下に女としては見ないって言われてるもん」
「それはそれでムカつくわ」
さおりはまたムッとすると、利也さんは声をあげて笑った。
もうどうしろというのだ。
「そういうことだから、安心して大丈夫だよ、さおり。ありがとう」
「何かあったらちゃんと言ってよ!」
「うん。本当にごめんね」
いつも心配してくれるさおりの存在に感謝しつつ、私は安心させるように笑い掛けたのだった。
「光太も、黙っててごめんね」
私は今日までにあったことを、いつものように迎えにきてくれた光太にも全て話をした。
自転車を降りて並んで歩く。
「さおりはめちゃくちゃだな」
「うーん、でも心配してくれてるのはわかるから」
「一人で盛り上がり過ぎなんだよ、アイツは」
うんざりとした顔で、光太は溜め息をつく。
「さおりが調子に乗りすぎてるときは、一子もたまには怒らなきゃ駄目だな」
光太の言葉に、私は笑った。
結局、なんだかんだで私に要求してくるのは二人とも変わらない。