この気持ちに名前をつけるなら
「大丈夫。坂下は寝てていいよ。私、買い物もしてくるし」
「……、」
坂下は頭を押さえていた。
「……いや、あのさぁ……ごめん。部屋に引っ張って来たのは俺だけど、一応、男の部屋なんですけど」
「何言ってるの。坂下言ったじゃん。女として見ないって。坂下も男として見るなって」
「……そうだけど、」
「あ、大丈夫。寝室とかは見ないし。私が買い物行ってる間に見られたくないものとかは片付けておいて」
私は無意味に腕捲りをした。
なんか、腕がなるっていうか、やり甲斐がある。
「あ、すみませんが、満足できたらでいいので、お代だけ戴きます」
ここ、重要なんで。
最初に確認させて貰いました。
悪しからず。
私は近所のスーパーへと向かった。
坂下は普段はコンビニが殆どらしい。
よーし。坂下が驚くものを作ろう。
って言っても、コース料理とかそういうのじゃなくて、もっと家庭的で、どちらかと言えば工夫重視。
そしてエコ料理。
これは得意な分野だ。
それと、非耐熱用のタッパーすらわからない坂下の手間にならないもの。