この気持ちに名前をつけるなら
act6
さて、もうすぐ一大イベント、修学旅行。
結局坂下が「考えておく」と言った研修グループは、特に明確な答えもないまま、必然的に私たちのグループでスケジュールを組むことになっていた。
多分、坂下も既に出来上がった別のグループに改めて入るのも面倒になったのだろう。
私たちともだいぶ仲良くなったからかもしれない。
主にさおりと坂下が喧嘩をしている、というか、さおりが一方的に坂下に喧嘩を売って、坂下がはいはいとあしらっているのが常なのだけど。
案外相性がいいのかもしれない、と私は最近思い始めている。
言えば嫌がりそうだけど、案外さおりはあれでいて坂下のことが気に入っているんじゃないだろうか。
坂下も女子が苦手だと言いながらも、なんだかんだでさおりとは一番話していると思う。
この修学旅行で坂下とももっと仲良くなれたらいいな。
私はさおりに無理矢理連れられ、修学旅行の買い物に街に出ることになった。
痛い出費にさおりに泣き言を言いながら街中を歩くこと3時間。
足も痛いし精神的にも痛い。
「よく頑張りました!」
そう言って、さおりは私に抹茶ラテとドーナツを奢ってくれた。