この気持ちに名前をつけるなら


「でもね一子、」



私はさおりの顔を見ると、さおりは笑っていた。



「光太を信じて」

「……うん、」

「変わっても、大丈夫だよ」

「……、」

「もし光太が一子を泣かしたら、そのときは私が飛び蹴り食らわせるからね」



可愛い顔であまりにも勇ましく言うものだから思わず笑ってしまったのだった。










その後、ドラッグストアで買い物をしてさおりと別れると、改めてさおりの言っていたことを思い出す。

やっぱりザワザワが胸がざわめくだけだった。



買い物した紙袋を肩にかけ直し、私はケータイを取り出す。

光太、明日試合なのに。

私がこんなモヤモヤしてるってなんだかすごく失礼な気がしてくる。

私が変わりたくないって思ってるんだから、私の方がいつも通りにしないといけないのに。

はぁ、と息を吐き出して、光太のアドレスが画面を表示する。

いつも通り。

いつも通りでいいんだから。



『明日試合だね。会場には行けないけど、応援してるよ!』



素っ気ないかと思って、少し迷ったけど、そのまま送信ボタンを押す。


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