この気持ちに名前をつけるなら
act7



「めっちゃかわいい~!」



六月。

私たちは海を越え、北海道に降り立っていた。

サファリパークで動物の赤ちゃんと触れ合い、私はもうメロメロ。

カピバラもヤギもウサギも皆可愛い。



「一子、」



呼ばれて振り返ると、光太が餌の野菜スティックを差し出した。



「これ楽しいよ」



ニヤリと笑ってニンジンを手渡されると、たちまちカンガルーやワラビーに囲まれる。



「わ、わ、ちょっと待って!」



動物に取り囲まれて身動きできなくなる私を見て、光太は指を差して笑う。



「もー!助けてよー!!」



柵の隅まで追いやられてから、光太はようやく別の餌で助けてくれた。

餌に釣られて手を伸ばすように皆が付いて歩く姿がなんとも可愛い。

さおりと笑って、光太もいつもよりふざけて、皆ではしゃいだ。


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